あらすじ

戦地にいる兄から届く手紙は、いつも教室で笑われていた。 靴の履き間違い。 鍋に謝った話。 星を数えようとして途中でやめた話。 愉快で、少し間抜けで、 戦争の匂いを感じさせない手紙ばかり。 しかしある日、兄の戦死が知らされる。 妹は「嘘ばっかりだった」と怒り、手紙を封印する。 やがて大人になり、母となった妹は、 偶然その手紙を読み返すことになる。 そこにあったのは、 現実から目を逸らすための嘘ではなく、 生活を壊さないために引かれた“限界線”だった。 恐怖を、そのまま渡さないために。 眠れる夜を守るために。 戦場を感じさせない兄の言葉が、 少しずつ本当の意味を持ち始める――。 静かな嘘が、誰かの生活を支えていく物語。

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小説を読もう2026/02/19
  • 現在の作品兄の手紙