あらすじ
高校時代、将来を嘱望されたゴールキーパー・南みことは、激闘の末に致命的な膝の負傷を負う。「夢を追うには、もう欠けすぎていた」。選手としての道を断念した彼は、美容師の世界へと進んだ。
26歳、札幌。ハサミを握り、鏡越しに人の笑顔を作る日々に充足感を感じつつも、心の奥底では消えないサッカーへの熱源が燻っていた。
そんなある日、ふとした誘いで訪れた草サッカーのピッチ。そこで彼は、かつての「勝った負けた」の自分ではない、全く新しい「俯瞰の視点」に気づく。
ハサミから笛へ。鏡からピッチへ。
これは、一度夢に破れた男が、審判として再び世界の頂点――ワールドカップのセンターサークルを目指す、リアルで熱い再起の物語。