あらすじ

自分がモブだと気づいたのは、断罪された瞬間だった。 聖女の託宣ひとつで悪徳令嬢の烙印を押され、弁明すら許されず、極北の辺境に追放されたリーネ。父は目を逸らし、貴族たちは沈黙し、誰もリーネの名前を呼ばなかった。 たったひとつ持ち出せたのは、裁判の議事録の写しだけ。 けれど追放先の荒野で足元を見た瞬間、前世の記憶が叫んだ。 この雑草は全部、薬草だ。 大学院で植物学を研究していた前世の知識を頼りに、リーネは辺境で薬草を育て始める。咳が止まらない子供を治し、治癒魔法でも治せなかった病を癒し、少しずつ人が集まり始めた頃、王都から一人の青年がやってきた。 調査員を名乗る執事、クロエ。 言葉は少なく、感情は見せず、棚を作り、薪を割り、雨の日には黙って外套を置いていく。 この人の好意はいつも、手の中にある。 だがクロエには、リーネに明かせない秘密がある。 リーネの辺境が注目を集めるほど、その秘密は重くなる。 やがて王都から届く圧力。奪われかけた居場所。崩れた信頼。 そして一枚の議事録が、すべてを動かし始める。 薬草しか取り柄のないモブ令嬢と、言葉を持たない青年の選択が交わるとき、この辺境に何が残るのか。

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小説を読もう2026/02/19
  • 現在の作品断罪されたモブ令嬢ですが、放置されていた辺境で気づいたら聖域を作っていたらしいですよ?