あらすじ
作品紹介
「力とは、奪うものではなく、守るためにある」
「力さえあれば、俺はこの腐った乱世を平らげてみせる」
時は戦国、永禄七年。
美濃の山深き地に、たった十六人で城を奪取し、そしてそれを捨てた天才がいた。
名を、竹中半兵衛。
時を同じくして、西の播磨に、己の才能を持て余し、天下への野心に燃える若者がいた。
名を、黒田官兵衛。
「静寂の理(ことわり)」と「修羅の渇望」。
真逆の信念を持つ二人の軍師が出会う時、歴史は大きく動き出す。
これは、命を削りながら「平和」という名の天下を追い求めた、二人の男の魂の記録である。
人物紹介
竹中 半兵衛
(たけなか はんべえ)
美濃・斎藤家の家臣。わずか十六人の手勢で難攻不落の稲葉山城を乗っ取った神童。
透き通るような白い肌と、女性のような優美な容姿を持つが、その瞳には底知れぬ虚無を宿している。 教え子の死をきっかけに「力」の無意味さを悟り、世を捨てようとするが、その才知が彼を放っておかない。
黒田 官兵衛
(くろだ かんべえ)
播磨・小寺家の家臣。泥と血にまみれることを厭わない、現場主義の若き軍師。
自分の中に眠る巨大な才能を持て余しており、それを完全に発揮できる「場所」と「主君」を渇望している。 半兵衛とは対照的に、力による解決と自己証明を信じているが、まだ本当の壁にぶつかっていない。
弥助 (やすけ)
半兵衛が兵法を教えていた少年兵。雪崩事故での彼の死が、半兵衛を「修羅」へと変える引き金となった。
竹中 久作 (たけなか きゅうさく)
半兵衛の弟。兄の才能を誰よりも信じているが、同時に兄の抱える危うい虚無感にも気づき、案じている。