あらすじ
「愛を誓うのは、これで五度目。あなたを殺すのは、これが最初」
憧れていた。塔の上で王子様の助けを待つお姫様に。
信じていた。いつか誰かが、この地獄から救い出してくれると。
でも、王子様はもういない。 無力だった私が、優しかった彼らを――愛しい夫たちを死に追いやったのだ。
待つだけでは、何も守れない。 籠の中の鳥であることを辞めたクロティルは、漆黒の喪服をまとい死神未亡人としての仮面を被る。
標的は北壁を統べる「なり損ない」公爵、セリアン・ヴィル・アイセントール。
夫たちの命を、その誇りさえも奪った真犯人。
全てはその冷酷な仮面を剥ぎ取り、完膚なきまでに心を奪い、その喉元にナイフを突き立てるために。
「閣下。その手で私の毒杯を飲み干す覚悟は、できていらっしゃいますか?」
これは、愛を失った女が、愛を知らぬ男に捧げる五度目の結婚。
五度目の鐘の音は、復讐の讃歌か、あるいはーーー。
*この作品はカクヨムでも同時連載しています。