あらすじ
『満月の下、その森は恐ろしく綺麗で異様だった』
大学の卒業式帰り、実乃里は奇妙な宴に出会う。
紅白の梅、桃、菜の花、水仙。絢を競うように咲き乱れる花々。青々とした葉を茂らせる木々。
その端には、彼らを見守るように枝を広げる、一際大きな枝垂れ桜。
住宅地の真ん中にあるはずの無い風景。
「これはまた、可愛らしい花がおいでになった――――」
若いようにも、年を取っているようにも見える整った涼しい顔立ちの着物姿の男に招かれ『花たちの花見の宴』に実乃里は足を踏み入れるが――――。
住宅街。次々伐採され鉄筋コンクリートの下敷きになり死んでいく木々や花たち。
そんな彼らに思い馳せた作品です。