あらすじ

昭和二十一年、焼け跡の東京。 瓦礫の隙間に広がった闇市で、十七歳の少年は帳場に立っていた。 米、薬、軍の横流し品—— 生き延びるためなら、何でも値段がつく場所。 ある夜から、商品に奇妙な赤い値札が現れる。 そこに書かれているのは金額ではない。 ――一命。 札の数だけ、人が死ぬ。 最初は偶然。やがて確信に変わる。 少年は思い出す。 盗みを働いた子を突き出したこと。 金のない母子を追い返したこと。 見て見ぬふりで受け取った金。 闇市は物資を売っているのではなかった。 切り捨てた命に、値段をつけていたのだ。 炎に包まれる焼け跡で明かされる、戦後の黒い勘定。 これは、取引の記録に残らない“もう一つの会計簿”の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/02/18
  • 現在の作品焼け跡の値札