あらすじ
毎日乗る電車の、よくある遅延――その裏で現場は ”正解のない選択” を迫られていく。
自動運転化のモデル線区が大きく注目されている、京南線(けいなんせん)。
「乗客の安全第一」を掲げる新人運転士・定時(さだとき)のぞみは、高卒で入社し、虚弱体質を抱えながらも日々の運行をこなしている。
ある夜、運転台に異常検知の表示が出たことで、のぞみは安全のため列車を止める。
だが、現地急行班の報告では「異常なし」だった。
その地点は「異常が見つからないのに異常を検知する」と現場内で噂されている、通称《空白地点K-17》。
K-17では列車を止めない判断をしろという空気の中、のぞみの慎重すぎる判断は問題視され、ついに単独乗務を外されてしまう。
そんなのぞみの指導添乗員として本社から来たのは、自動運転推進の広告塔―――そして2度と会いたくなかった男・白石慶一郎。
現場にしがみつく新人と、現場を縮小させる本社。
正反対の2人が「最善の運転とは何か」を模索しながら、《空白地点K-17》の謎へ迫っていく――――。