あらすじ
巨大地震による津波に呑み込まれた僕が目を覚ましたのは、魚の形をした「水の塊」が空中を泳ぐ、暗い奇妙な洞窟の中だった。
水も、慈悲も、希望もない「渇いた世界」。
喉の渇きに突き動かされ、ようやく辿り着いた水面で、僕は自分自身のステータスを目にする。
【能力】『白いモヤモヤを生み出す力』
授かったのは、攻撃力も防御力もない、ただの「霧」を生み出す魔法。
「……これでどうしろって言うんだ」
絶望的な状況。しかし、生き残るためにはこの非力な魔法を武器に、灼熱の砂漠と拒絶の水迷宮を攻略しなければならない。
水魔に襲われた僕を助けたのは、銀髪の誇り高き狼獣人・ウルファ。
僕は彼女と言葉を交わすために、絶対服従の「契約魔法」を結ぶ。
それが、終わらない執着の始まりだとも知らずに。
水を奪われた異世界で、渇いた少年の生存戦略が始まる。