あらすじ
王太子から婚約を破棄された聖女リシェル。
理由はただ一つ――
「戦場で兵を全快させる奇跡を拒んだから」。
彼女は気づいていた。
奇跡による即時回復は戦争を終わらせるのではなく、
戦争を“延命”させているのだと。
聖女という象徴を捨て、回復職として王都に医療院を設立。
奇跡を一点集中させる制度を変えるため、
段階回復と分散育成を始める。
だが教会は第二の聖女を擁立し、
軍部は奇跡を“国家資源”と呼ぶ。
これは復讐でも逆転劇でもない。
奇跡を独占しないための物語。
戦争を延命しないための、静かな革命の記録。
――奇跡は、国のものではない。