あらすじ
【Case.1 凪と柊斗】
三年間「男女の親友」を貫いてきた二人。
だが、熱に倒れた凪の看病をしている間に、柊斗は積年の想いを爆発させる。
「責任取れよ。一晩中お前のこと『女』として見て、一睡もできなかった俺に……親友に戻れってのは、もう無理だわ」
【Case.2 湊と結菜】
「……そのゴム、他の奴に使わせるくらいなら、今ここで俺が使い切ってやるよ」
「幼馴染のお兄ちゃん」として理性を保ってきた湊。だが、結菜が口にした他人の名が、数年分の独占欲に火をつける。
【Case.3 朔と遥香】
「え、先輩、もしかして……。……謝んないでくださいよ。最高すぎて、頭おかしくなりそう」
経験豊富な「高嶺の花」だと思っていた遥香先輩は、俺の指先ひとつで震えるほどに無垢だった。
嫉妬に狂って強引に連れ込んだ雨の夜。生意気な後輩は、自分だけが知る先輩の「初めて」に溺れていく。
【Case.4 慎と澪】
「……椎野。お前、それ以上飲むな」
初恋の相手・椎野 澪と同じ大学に入るために死に物狂いで勉強したものの、大学では声をかけられない日々を送る蓮山 慎。
成人式の夜、お酒の力で無防備に甘えてくる澪の熱にあてられ、慎が必死に保ってきた理性のダムが決壊する。
「……あー、もう……。……知らないからな。明日、泣いて謝っても許さねーぞ」
長すぎた片想いの果て、計算外の夜が始まる。
【Case.5 直と小春】
「お前の『大丈夫』は信用に値しない。データが証明してるだろ」
数学と物理を愛し、感情を「非合理」と切り捨ててきた悠城直は学習塾で理系講師としてアルバイトをしている。
だが、バイトの後輩・小春が夜道で男に絡まれているのを見た瞬間、彼の合理主義は一瞬にて崩壊した。
駅とは正反対、往復四十分の「非合理な送り」。
真っ白な数式を塗りつぶすように、無防備に袖を掴む彼女への独占欲が、未知の変数として彼の心臓を支配し始める。
「……待たない。もう、答えは出てるだろ」