あらすじ
異世界転生した元営業マンのケンジは、チートスキル【神眼】を手に入れた。
だが、彼はその力を魔王討伐には使わない。
彼の目的はただ一つ。路地裏の屋台で、店主を褒めちぎり、良い気分にさせて会計を誤魔化すこと!
「親父さん、このポーション……ただの薬草じゃないね? 『サファイア・ハーブ』の若葉だけを使ってるだろ?」
「わ、わかるか!? お客さん、通だねぇ!」
店主を完全に掌握し、鮮やかな話術で銅貨を数え、まんまと安く飲み食いするケンジ。
そんな彼の「粋」な振る舞いに憧れ、真似をしようとする一人の男がいた。
しかし、彼には鑑定スキルも話術もなく、あるのは「勝手な思い込み」だけ。
勘違い荷物持ち男が挑む、泥水ポーションとゴブリン店主との戦いの結末は――?
※本作は古典落語『時そば』をモチーフにした異世界コメディです。
【時そば・元ネタ概要】
屋台の蕎麦屋で、男が「つゆが美味い」「箸が良い」と店主を褒めちぎり、会計時に小銭を数える際「ひぃ、ふぅ……今何時だい?」「九つでぃ」「十、十一……」と時刻を尋ねることで一文誤魔化す噺。それを見ていた別の男が真似をしようとするが、店や蕎麦の質が悪く、さらに時刻も間違えて逆に損をしてしまうというオチ。