あらすじ

一瞬で、すべてを失った。 捏造された罪、消えた証拠、逃げ出した父。 十七歳の僕に残されたのは、落書きだらけの家と、震えながらレジを打つ母だけだった。 地元の有力者・郷田の手によって、僕は「性犯罪者」というレッテルを貼られた。 世間の悪意が、平凡な家族の息の根を止める。 住む場所さえ追われ、辿り着いた最底辺のボロ宿。 絶望の淵で、僕は終わりを選ぼうとした。 けれど、母は泣かなかった。 「掃除が必要になったわね」 母が古いトランクから取り出したのは、見たこともない衛星電話。 静かに微笑む母の背後に、世界を指先一つで設計してきた「支配者」の影が揺れる。 母の愛は、世界を滅ぼすほどに、深く、静かだった。

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小説を読もう2026/02/18
  • 現在の作品指先(ひとごろし)の愛と、割れた湯呑み