あらすじ
推しグッズの再配達を取りに行こうとして階段から転落――。
目を覚ました高校生の「私」がいたのは、乙女ゲーム『聖剣と七人の王子』の世界だった。しかも目の前に現れたのは攻略対象ではなく、ゲームに存在しない“魔王”レオン。終わったと思ったその出会いは、孤独な王と居場所を失った少女の奇妙な同居生活の始まりだった。
戦争を嫌い、書類仕事に追われる現実派の魔王と、料理や雑務で城を支えることになった主人公。静かだった魔王城は、元盗賊の雇用や日常の積み重ねによって少しずつ賑やかになっていく。紅茶を飲む時間、交わされる短い言葉、共有される季節――やがて彼女は、孤独を抱え続けてきた王に恋をする。
しかし物語は動き出す。
勇者誕生。王子の旅立ち。
それは「魔王が必ず討たれる」ゲームの開始を意味していた。
逃げようと提案する彼女と、王として逃げないと決めるレオン。決戦前夜、互いの想いを告げ合った二人は、剣ではなく言葉を選ぶ。三日三晩の交渉の末、人間と魔族は戦争を終結し、世界は共存へと踏み出す――ゲームに存在しなかった未来へ。
平和の代償としてすれ違い、寿命という違いに向き合いながらも、二人は同じ場所に立ち続けることを選ぶ。
そして一年後。かつての魔王城は平和の象徴となり、彼女の「帰る場所」になっていた。
これは、攻略対象外の魔王と世界の結末を書き換えた、365日の恋と革命の物語。