あらすじ
侯爵令嬢カタリナは卒業式の日、婚約者ヴィクトルに「お前は僕が公爵令嬢に 近づくための道具だった」と嗤われ、婚約を破棄された。しかしカタリナは 泣かなかった。——全部、知っていたから。 1年前から密偵を使い、ヴィクトルの裏の顔を調べ上げていた。浮気も、利用も、 カタリナの家の資産を横流ししていたことも。そしてその証拠を、ある人物に 渡していた。 5年後。路上で声をかけてきたのは、見る影もなくやつれた男だった。 「頼む、カタリナ……もう一度、やり直してくれないか」 「あら、どなたでしたっけ?」 カタリナは微笑んだ。隣には第二王子——今の夫が立っていた。