あらすじ
恋人・海人を失ってから、美鈴の心には長いあいだ影が落ちていた。
彼と出会ったハワイへ向かったのは、悲しみを断ち切るためではなく、
胸の奥で止まっていた時間を、そっと動かすためだった。
島の光、風、海の匂い——
どれも海人と過ごした記憶を呼び起こしながら、
美鈴は少しずつ自分の心と向き合っていく。
やがて、美鈴は海人が愛した海のそばで、ひとつの約束を果たす。
それは別れではなく、彼と生きてきた証を胸に抱き、
これからを生きるための静かな区切りだった。
旅を終える頃、美鈴の足取りには、もう“影”ではなく、
新しい日々へ向かうための小さな光が寄り添っていた。