あらすじ
『せおい』と読みます。
高校の同級生である鳥辺陸には彼女がいた。四田望空という、才色兼備を地でいく女子だった。望空と付き合うようになって、彼は変わった。最初は喜ばしいことだった。しかし徐々に昔の彼が消えていくのを、俺はただ見ているだけだった。
ある日、いつもと違う調子で彼は言った。
「死にてぇ……」
いつものことだと思った俺は、もううんざりして吐き捨てた。
「おまえの人生を俺に背負わせるな。生きたいように生きろ。死にたきゃ勝手に死ね。自分の人生には、自分で責任を持て」
俺がそう言い放った時の鳥辺の顔を、今でも忘れることができない。