あらすじ
「——あなた、あの配信者の“雨野しずく”さんですよね?」
通勤電車で突然、知らない誰かに声をかけられた。
違う。私はただの会社員、桐谷陽菜。
恋愛に興味がないわけじゃないけど、過去のトラウマに捉われて、どこか怖いまま大人になってしまった二十七歳。
けれど、軽い人違いのはずだったその一言が、陽菜を“本物”の雨野しずくへと導き、運命を変える。
画面の中のしずくは、綺麗で、やさしくて、完璧に見えた。
けれども実際に会った彼は、ひどく繊細で——Xジェンダー(性別の枠に収まらない)であることを悩み、「本当の自分」を知られることに怯えていた。
顔立ちが似たしずくと陽菜は、それぞれの悩みを打ち明けて互いに距離を縮めていく。
いつしかふたりは惹かれ合うようになり、交際するのだが――。
これは、別れの物語であり、新しい愛を育むまでの再生の物語。
あなたへ贈る——『愛の賛歌を、あなたに』。