あらすじ
種族も国も、“境界線”で隔てられた世界。
そんな世界で生きる少女レナは、剣に触れたことも、魔法を使ったこともない、ごく普通の村娘。
才能も力もない、どこにでもいるはずの存在だった。
ある出来事をきっかけに、彼女は禁じられた森の奥──境界線の向こう側へ足を踏み入れてしまう。
それは、仕方ない選択だった。
けれど、その一歩から彼女の世界は変わり始める。
やがてレナの目に“線”が視え始める。
国境や縄張りだけではない。
人と人のあいだに走る距離。
揺れる感情の境目。
そして見えたくない物まで…
本来なら誰にも知覚できないはずの「あらゆるもの」が、線となって世界を覆い尽くす。
でも、できるのは“視る”ことだけ。
剣の腕は未熟。
魔法も平凡。
それでも──その力は、世界の均衡に走る“ほころび”を暴き出してしまう。
越えてしまった境界。
視えてしまった真実。
非力な少女は、いったい何に巻き込まれていくのか──