あらすじ
社会人の主人公・朝霧蓮(あさぎり・れん)は、かつてプレイヤーの間で"二度とやりたくない神ゲー"と称された超高難易度ダークファンタジーRPG『Epitaph:Requiem(エピタフ:レクイエム)』の全ルート・全実績をコンプリートした唯一のプレイヤーだった。
過労で意識を失った蓮が目覚めると、そこは『エピタフ』の世界。しかも転生先は、全12章すべてで**「ヒロインたちの不幸を加速させるためだけに存在し、最後は全員に裏切られて殺される」**と設定された、ゲーム中で最も嫌われるNPC――《灰の書記官》カイン。
カインの死は、ゲームにおいて「物語を盛り上げるための装置」に過ぎない。プレイヤーからも「ざまぁ」と喝采される存在だった。
だが蓮だけが知っている。
カインが死ぬ12の場面は、実はすべて"ヒロインの代わりに死んでいた"シーンだった――ゲームでは一切語られなかった、隠しフラグの真実。そしてカインが12回の死をすべて回避してしまうと、代わりにヒロインたちが死に、世界は「真・滅亡エンド」に突入する。
蓮の選択肢は二つ。
①設定通り12回死んで世界を救う(=自分は消滅) ②99本の死亡フラグを"自分もヒロインも死なない形"で折り直す
蓮は②を選ぶ。だが、死亡フラグを折るたびに主人公の身体は「世界の修正力」に蝕まれていく。命を削りながら暗躍する蓮の姿を、ヒロインたちは少しずつ目撃していく。
――そして彼女たちは気づいてしまう。 "嫌われ者"が、ずっと自分たちを守っていたことに。
曇り、壊れ、病んだヒロインたちは蓮への感情を暴走させ始める。 「あなたが死ぬというなら、私がこの世界ごと壊す」 「お願い、もう一人で背負わないで……私の命を使って」
蓮は彼女たちの暴走も、世界の修正力も、すべてを打ち破る第三の道を探す――。