あらすじ
「食料も護衛もなし? 詰んだ。」
慈善金の紛失――身に覚えのない罪を着せられ、平凡な令嬢クロエは王太子エリックに婚約破棄を言い渡された。
王太子が胸の大きな“聖女(笑)”セラフィナと浮気していたことも、クロエの実家の後ろ盾しか見ていなかったことも、全て知っていた。
凍える森へ捨てられたクロエが出会ったのは、一匹の黒猫と、動物の声が聞こえる【ビースト・トーク】というギフト。
そして――なぜか追いかけてきた「冷徹な義兄」セドリックだった。
「外へ出るな。……お前が死ねば、俺が困る」
説明も優しさもない。自由を奪うほどの過保護な重結界。それはまるで、クロエを世界から隠し、独占しようとする檻のようだった。
森で拾ったのは、小さな相棒と新しい人生。
王都で拾い直すのは、奪われた全てと――決して逃がしてくれない義兄の愛だった。