あらすじ
日本全国で突如、能力が発現した。
それは、強い願いや感情が具現化し、抑えきれぬまま膨れ上がっていく。
だが、力は希望だけでなく欲望も増幅させる。
能力者による犯罪組織が各地で台頭し、既存の治安組織では手も足も出ない。
日常の皮をかぶった日本は、静かに戦場へ変わり、街の灯りも揺れ、都市の隅々まで崩れ始めていた。
政府は、極秘裏に少数精鋭部隊を設立する。
能力者だけで構成された、対異能戦闘部隊――。
その部隊を率いる隊長・神代は、あらゆる力を抑え込む特異な能力を持つ青年。
幼い頃、異能犯罪者によって両親を失った彼は、唯一の家族である妹を守るため、戦いを嫌いながらも戦場に立ち続けている。
だがその力は、使うたびに心を削り、一歩間違えれば制御を失う。
力を使うたび、彼は自問する。
――――力とは何か。
――――守るとは何か。
誰かを守るたび、
自分のなかの何かが静かに削れていく――残るのはその感覚だけだった。
――だがその力が、何を終わらせ、何を始めるのか。
誰もまだ知らない。
街の灯りが揺れ、遠雷が街を裂く――その中で、
彼は今日も静かに立っている――。