あらすじ
帝国財務局に勤める簿記官カイ・ヴェルナーは、
ある日突然「無能」として追放された。
理由は単純――
彼には“国家の赤字が視えてしまう”能力があったから。
流刑同然で送り込まれたのは、帝都の裏社会《灰色街区》。
だがカイはそこで気づく。
赤字は腐敗ではない。
それは“設計”だ。
国家は意図的に不均衡を作り、
戦争と拡張を維持している。
ならば――再計算すればいい。
裏社会を黒字化し、
国家と契約し、
やがて皇帝と対峙する。
これは、
戦争を剣ではなく帳簿で止める男の物語。
均衡は奪うものではない。
設計するものだ。