あらすじ

当落差、わずか十二票。 雪の夜の開票所で、田中優香(二十五歳)は異変に気づく。 候補者別得票数も無効票も一致している。 だが――総投票数だけが、二十三票足りない。 誤差か。 それとも、選挙をひっくり返す数字か。 「止めないことが制度を守る」 主任・谷口はそう言う。 だが優香は思う。 “ゼロに戻らないまま、進んでいいのか”。 部分再確認、束単位の誤差、そして見つかった十七票。 数字は減り、増え、逆転する。 止めれば疑われる。 止めなければ揺らぐ。 守るのは、現場か。 信頼か。 それとも、たった一票の重さか。 雪の夜、体育館に積もるのは沈黙と緊張。 制度の中で働く人間たちが、それでも「ゼロ」に戻ろうとする物語。 これは、不正の物語ではない。 “確認”の物語だ。

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カクヨム
カクヨム2026/02/17
  • 現在の作品当落差12票、消えた23票の夜