あらすじ
新興貴族サヴィオラ侯爵家に仕えるフィオーラは、
次期メイド長候補と目されるほど仕事が完璧なメイド。
しかし彼女は、思いを言葉にするのが苦手で、
内心では、自身のことをお作法(歯車)に従って動くだけの
「ゼンマイ仕掛けのメイド」と卑下していた。
彼女が仕えるのは画家の道を諦め、
若きパトロンとして成功を収めるヴァレリオ・デ・サヴィオラ。
彼の決断を尊重しつつも、
フィオーラは「もう一度だけ彼の絵が見たい」と、
主人が寄り付かなくなったアトリエを
三年間たった一人で守り続けていた。
そんなある日、フィオーラはアトリエでネコ型の精霊と出会う。
フィオーラと同じく、ヴァレリオの画家としての再起を望む精霊は、
彼女に魔法のスティックを授ける。
【三回だけ】なりたい自分になれる。
ただし、魔法が解ければ【誰の記憶にも残らない】のだという。
それでもフィオーラは構わないと言って、異国の令嬢へと姿を変え、
ヴァレリオの女神(ミューズ)として寄り添う。
メイドの自分では決して言えなかった本音。
ヴァレリオの笑顔を引き出せることに無上の喜びを感じていく。
残された変身はあと1回。最後の逢瀬を楽しもうと思った矢先、
ヴァレリオをはじめとした御曹司たちに、
暗殺の危機が迫っているとの噂が舞い込んできて――。
これは、歯車に従って動くことしか出来なかった少女が、
自分で選んで、動いて、大切な人を守る物語。
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