あらすじ
卒業舞踏会の夜。
公爵令嬢エルシェナ・ヴァルモンは、王太子エドガーから大勢の前で婚約破棄を言い渡された。
隣にいたのは、儚げな涙で男たちの同情を集める義妹セラフィナ。
「お姉様に虐げられてきました」と訴える彼女を庇い、王太子はエルシェナを悪女として断罪する。
けれど彼らは知らなかった。
王家の華やかな暮らしも、王太子の立場も、社交界での信用も、その多くがヴァルモン公爵家――そしてエルシェナの存在によって支えられていたことを。
静かに婚約破棄を受け入れたその日から、エルシェナはすべてを止める。
王宮に流れていた便宜も、信用も、優先も。
さらに継母イザベルの不正、義妹セラフィナの虚飾、王太子の浅はかさを、一つずつ白日のもとへ晒していく。
奪ったつもりでいた義妹も、捨てたつもりでいた王太子も、家を食い潰していた継母も――
やがて名誉も立場も未来も失い、二度と這い上がれない生き地獄へ落ちていく。
これは、すべてを奪われかけた本物の公爵令嬢が、
自分を踏みにじった者たちへ救済なき断罪を下す物語。