あらすじ
没落令嬢のアリアは、初恋の相手であり、今は「氷雪の公爵」と恐れられるアレクシスの屋敷でメイドとして酷使されていた。
彼はアリアを激しく憎んでいる。5年前、処刑寸前だった彼を見捨てて「裕福な男を選ぶ」と裏切った最低の女だと信じ込んでいるからだ。
しかし真実は違う。彼女こそが、家も身分も売り払って彼の命を救った恩人だった。彼に負い目を感じさせないため、あえて悪女を演じて突き放したのだ。
アリアは「彼が生きているだけでいい」と冷酷な仕打ちに耐え忍ぶが、猛吹雪の夜、ついに限界を迎え倒れてしまう。
「二度と俺の視界をうろつくな」
無慈悲な追放宣告を受け、アリアは愛する人の幸せを願いながら、死の吹雪の中へと姿を消した。
――彼女が去った直後。
屋敷を訪れた弁護士によって「5年前の真実」が暴かれる。
自分が最も憎み、今まさに猛吹雪の中へ見殺しにした女が、人生のすべてを犠牲にして自分を愛し抜いてくれた恩人だったと知った時。
冷血な公爵は血の涙を流して慟哭し、狂ったように雪山へと飛び出していく。
これは、致命的なすれ違いの果てに、冷酷だった男が絶望に泣き叫び、泥に這いつくばって永遠の愛を乞うようになるまでの逆転劇。