あらすじ
人口減少と貧困が進み、怪物“影”の脅威にさらされた未来の日本。
この国では、影に対抗するための“異能”を持つ子供たちが管理され、学園へ集められていた。
孤児院で育った十五歳の少年、黒鉄彩人は、自分を無能力者だと思って生きてきた。
親の顔も知らず、誰にも心を開かず、ただ捨てられないように息をしてきただけの人生。
高校生相当の年齢に達したことで孤児院を追い出された彩人は、そこで自分たち子供が売られるための商品だったという現実を知らされる。
絶望の果て、彩人の中で眠っていた“何か”が目を覚ました。
気づけば孤児院は跡形もなく消え、彩人は危険人物として拘束される。
異能測定では結果すら出ず、ただ「不明」と判定された彼は、条件付きで統合防衛高等学校へ送られることになる。
そこは“希望”と呼ばれる異能者の子供たちを育てる学園――だが、その実態は戦場へ駆り出すための育成機関だった。
何も持たず、何も望まず、ただ消えたいと願う少年。
そんな彩人の中に潜む、すべてを拒絶する異能の正体とは何か。
そして、怪物“影”と国家が隠してきた真実とは――。
これは、世界から零れ落ちた少年が、管理された希望の学園で“異物”として目を覚ましていく物語。