あらすじ

◆あらすじ◆

「鏡のなかに――」

信州の山奥、黒鏡湖のほとりに建つ双子の洋館「双影荘」。赤煉瓦の棟と白漆喰の棟が硝子の回廊で繋がれたその屋敷は、夭折した天才建築家・桐生蒼介が遺した最後の作品だった。

フリーライターの宗方凪は、蒼介の孫娘を名乗る女性から屋敷の取材を依頼される。到着した凪を迎えたのは、門に結ばれた赤い組紐、一拍遅れて動く鏡の中の影、そして壁の伝声管から漏れる正体不明の囁き声だった。

嵐が山道を断ち、外界との連絡が途絶えた翌朝、望楼で客の一人が死体となって発見される。閉ざされた館に残されたのは、七つの掟に縛られた住人たちと、建築家が仕掛けた鏡と音の迷宮。凪は記録者の立場を捨て、地下に封印された音叉の実験室、二枚の銀の指輪が開く八角形の密室、そして鏡だけが映すという「第五の顔」の謎に踏み込んでゆく。

やがて明かされる住人たちの告白は、論理でも怪異でも割り切れない「記録の空白」を突きつける。――鏡が嘘をつくとき、真実を書き留めることに意味はあるのか。

◆登場人物◆

宗方凪(42)――フリーライター。事実の記録を信条とするが、館の謎が信念を揺るがす。
影守霞(80)――影守家当主。七つの掟の番人。
影守夕映(20代後半)――寡黙な画家。虹彩異色。「鏡の守り人」。 影守朝凪(夕映と同年)――光学研究者。夕映の庇護者を自認する。
桐生紅(30代前半)――建築家・蒼介の孫娘。凪に取材を依頼した張本人。
鵜飼徳蔵(70)――双影荘の管理人。蒼介への忠誠が暴走する。
月島怜子(40代)――民俗学者。土着の鏡信仰「御影講」を追う。
黒田鉄次(50代)――甘い匂いのインクペンと古い管理日誌を持つ旅人。 征一――白棟に籠もる男。蒼介の実験の核心を知る。

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アルファポリス
アルファポリス2026/03/11
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