あらすじ
「味のしない世界で、一羽のカラスが女に国を作ると言った。」
大気汚染で地表の大半が死に、人々はドームの中に閉じこもって暮らしている。技術は失われ、村と村を繋ぐのは行商人だけ。外で死ねば魔物になる。それがこの世界の日常だ。
そんな世界で闡釐は行商人をしていた。味のしないような毎日を送っている。生きている意味は無いかもしれない。しかし死ぬ理由が見当たらない。それだけが、私を生かしている。
ある夜、闡釐が殺した死体の傍らに降り立ち、一羽カラスがうそぶいた。
「俺達カラスの国を作る」
国には法が要る。文化が要る。だから人間の村を巡って学ばせてくれ、と。
やがて旅は、この星の真実に辿り着く。