あらすじ
(ネタバレ含みます)
「主文。被告人を死刑に処する」
弁護士・正木恒一は、親友・蒼井の死刑判決に絶望していた。彼の前に現れたのは、地獄の裁判官「閻魔」。正木は親友を救うため、人の過去を暴く「右目」と、勝訴を確約する代償の力「誓約」を手に契約を交わす。
だが、右目が映し出したのは、親友が犯した凄惨な殺害現場だった。
友が「人殺し」であると知りながら、正木は誓約を行使し、法廷を、そして世界の確率を歪めていく。勝利を重ねるたびに正木の感情や記憶は削り取られ、周囲には不可解な死の連鎖が降りかかる。
その前に立ちはだかるのは、他人の嘘を看破する『虚飾の目』を持つ検事・黒沢。正木と同じく閻魔と契約した男は、正木の「歪んだ救済」を止めるべく法廷で激突する。
「俺が救いたいのは、真実ではない」
私情、倫理、正義――すべてを捨てた正木は、己の命すら代償に捧げ、ついに蒼井の「無罪」を勝ち取る。しかし、その直後、親友は特捜部が仕組んだ「不慮の事故」で命を落とした。
すべてを失い、勝利だけが残った。親友の遺体を前にして、正木は自分が「悲しみ」という感情さえ失っていることに気づき、虚無のなかで静かに崩壊していく。
法と異能、そして「救い」という名の呪いが交錯する、極限のリーガル・サスペンス。
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