あらすじ
誰とでも仲良くなれるのに、本当の友達と呼べる人は一人もいない。美和には大好きな人、立栞がいる。過保護な母親の目から守るように寄り添ってきた親友であり、片思いの相手。立栞のために社交性を身につけ、立栞のためにアリバイを作り、立栞を愛している。しかしある日曜日、偶然入ったハンバーガー店で、美和は立栞が別の誰かにだけ見せる顔を知ってしまう。嫉妬なのか、怒りなのか、判別のつかない感情を抱えて乗り込んだ電車の中で、美和の「ありのまま」が静かに輪郭を結ぶ。これは、どこかにあった物語、そのアウトサイダーの物語。