あらすじ
春の剣士学園――新人たちが集う訓練場に、誰もが知る少女が立つ。黒髪を揺らし、腰には長刀。雪。その名は学園でも一目置かれる存在だ。
今日から始まる「指名戦」。どんな相手にも挑めるこの試合で、雪は静かに、しかし圧倒的な力を示す。抜刀、斬撃、残心――音もなく三年生を制すその動きは、まるで型稽古のようでありながら、誰もが心を奪われる本物の技だった。
だが、雪の勝利を見つめる影がある。二階の観覧席から眉をひそめるのは、学園ランキング二位の鷹宮蓮。そして訓練場の隅には、帯刀せずただ静かに試合を見守る少年の姿――まだ誰も、その名も、強さも知らない。
この学園で、力と技がすべてを決める世界。雪は、そして少年は、どこまで上りつめるのか。
始まりは、雪の日の抜けなかった剣。