あらすじ
山脈に囲まれたルスカ谷は、冬を前に塩も薬も尽きかけていた。
かつて谷を外の世界へつないでいた白鷹旧街道は、今は地図から消えている。
谷の若い案内人レンは、三年前の遭難事故で「人を死なせた案内人」と呼ばれ、誰からも信頼されていない。
それでも彼には、風向、岩質、水の流れ、草木の生え方から道の痕跡を読む力があった。
旧街道の痕跡を見つけたレンは、冬が本格化する前に道を通し、故郷を孤立から救おうとする。
だが旧街道の復活を望まない商人たち、人為的に消された標識、そして三年前の遭難の真相が、その前に立ちはだかる。
これは、戦いの強さではなく、土地を読む力で道を取り戻す案内人の物語。