あらすじ
神や悪魔、妖怪、精霊——それらの存在が科学的に確認されている世界。
その影響で人類の約一割は異能を持って生まれるようになり、学校には能力者だけを集めた『特異能力保有生徒クラス』通称“異能クラス”が設けられていた。
山田涼介は、その異能クラスに所属しているにもかかわらず、能力を一切持たない高校生である。
健康診断では原因不明の異常値が出るため、クラスに入れられているが、本人に発現した能力はゼロ。周囲が当たり前のように異能を使う中、ただ一人の“無能力者”として過ごしていた。
しかし山田には、ひとつだけ強い興味がある。
それは、この世界で唯一科学的に解明されていない存在——幽霊だった。
ある日、オカルト研究部の活動として心霊スポットを訪れた山田たちは、そこで本物の幽霊と遭遇する。
七年前、この学校で命を落としたという少女の霊。彼女は、自分を殺した“怪異”を止めてほしいと山田たちに頼んできた。
学校には、人の感情が澱のように溜まって生まれる怪異が潜んでいる。
嫉妬、後悔、怒り、劣等感——生徒たちの心の闇が形を持ち、時に人を傷つける。
狐の血を引く巫女の少女・葛葉美嘉。
堕天使の血を引く分析狂の鹿島瑠奈。
闇と炎の精霊を従える厨二病の奥野鞠。
そして筋肉だけで怪異に立ち向かおうとする酒匂琢磨。
異能と筋肉を持つものたちに囲まれながら、唯一の無能力者である涼介は、学校に潜む怪異の謎に迫っていく。
これは、幽霊がまだ証明されていない世界で、幽霊を見たい少年が怪異に関わってしまう物語。