あらすじ

「元盗賊の血は隠せぬ。奴は騎士の誓いを裏切った」 焼き払われるはずだった村を救い、 降伏した異端者を守った騎士ラザロは、 その「良心」ゆえに背信の汚名を着せられた。 騎士の名を剥がされ、聖剣を奪われ、 雨の帝都を追放された彼に残されたのは、錆びたなまくら一本と、 皮肉にも己を縛り続ける呪いのような善性だけだった。 彼は、かつて守れなかった者が理想郷と夢見た地 「ヴェイルモント」を目指し、泥濘の巡礼へと踏み出す。 だが、狂った信仰が支配するこの世界では、 彼の差し出す救いの手さえも、 平穏を乱す「毒」として民に忌み嫌われ、 かつての親友を刺客として呼び寄せる結果となる。 二百年前の「聖帝継承戦」以来、四つに引き裂かれた帝国。 「血統」に狂うオズウェル、「武力」に奢るスカルディア、 「富」を貪るヴェネリア、そして「沈黙」を貫くヴェイルモント。 鳴り止まぬ聖戦の裏で、沈黙を守り続ける神の真意とは何なのか。 剣の輝きは速く、良心の歩みはあまりに遅い。 これは、神に裁かれた追放騎士が、 絶望の果てに「真の救い」を問い直す巡礼の記録である。

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小説を読もう2026/03/10
  • 現在の作品ペレグリヌス ―― 神の言葉に裁かれた追放騎士の巡礼の記録