あらすじ
「殿下は操られていますわ!」
夜会の真ん中で、聖女を名乗るヒロインが叫んだ。どうやら彼女は、この世界を乙女ゲームだと思い込んでいる転生者らしい。
「フラグは立ったはずなのに!」「好感度アップの音がしたのに!」
必死に設定を並べ立てる彼女を前に、隣に立つ私の婚約者――太陽王子リュシアン殿下は腹を抱えて爆笑した。
「あっははは! 聞いたかアニエス、俺、洗脳されてるんだってさ!」
彼は攻略対象などではない。
私が十数年支え続けてきた、そして何より――私を選び続けてくれた男だ。
「悪いが、俺を操れるのは世界でたった一人、そこにいる彼女だけなんだ」
余裕で笑う太陽王子と、有能悪役令嬢。
勘違いヒロインを相手にした、本物の断罪劇が幕を開ける。