あらすじ

AI開発者・潮見巡は、自ら作った音声解析AI「NOIA」と共に、整然とした日常を送っていた。家族との会話も、感情の揺らぎも、すべてはデータとして記録され、数値化される。けれど、その完璧な記録の裏側で、妻・紗季との対話は少しずつ温度を失い、三歳の娘・結の声さえ、どこか遠い場所から届くもののように感じていた。 祖母の死をきっかけに、巡は遺品の中から一本の古いカセットテープを見つける。ラベルに記された「アリーゼの風と声」という言葉に導かれ、彼は北アフリカの港町アリーゼへと旅立つ。そこで出会ったのは、AIの解析を根底から覆す圧倒的な音楽と、「聞くとは何か」を問い続ける人々だった。 データでは捉えきれない響きに触れたとき、巡のなかで何かが壊れ、何かが生まれ始める。そしてNOIAもまた、論理の限界を超えた先で、思いもよらない変容を遂げていく。

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カクヨム
カクヨム2026/03/10
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