あらすじ
二大軍事大国『アルケナ』と『メソン』は10年にわたる大戦を繰り広げていた。
カルマ・デリバルは『アルケナ』に住む青年。戦争で両親を亡くした彼は、かつて父が営んでいた配達屋を継ぎたい――その思いを胸に、その資金を貯めるため、街の小さな喫茶店でアルバイトに勤しんでいた。
そんなある日、店にとある客が現れる。黒いベレー帽、軍の戦闘スーツ、白いロングコート。少し辿々しい足取りで歩く寡黙なその女性は、戦争で両目を失った退役軍人、ユーティア・トールガー。
彼女は戦場で散っていった戦友らから託された『遺書』をその家族へと送ろうとしていたものの、盲目であるが故にそれが出来ずにいたところ、配達屋の噂を聞きここまでやって来たのである。
そしてユーティアは自身の退職金を差し出し、配達屋の再開を後押し。そうしてカルマとユーティアは失われた『オモイデ』を送り届ける配達屋『オモイデ小隊』を結成するのであった。
――銃弾ではなくオモイデを運ぶ。
戦争に明け暮れる世の片隅で始まった小さな配達屋は、やがて戦争の裏に隠された数々の物語と、オモイデを知る。
――これは終わらない戦争の時代に、見失われた『オモイデ』を届ける者たちの物語。