あらすじ
没落した貴族家の娘アリーネは、家族を支えるため王都の社交サロンで同伴者として働いていた。
十一年前、彼女は婚約者イアン・ハイモンドに切り捨てられ、家もまた鉱山問題によって没落の危機に陥った。
時が流れ、社交界で再会した二人は、依頼主と同伴者という関係で再び顔を合わせることになる。
接客のプロとして振る舞おうとするアリーネだが、整理したはずだった感情が騒ぎはじめ、揺れている心を自覚する。
一方イアンは、壮年の男爵に寄り添うアリーネを見て何を思うのか。
諦念、罪悪感、同情。長い年月を経て変質せざるを得なかった二人の想いが、再会によってまたその形を変えていく。