あらすじ
アーレンス王国第三王子リヒャルト・フォン・アーレンスは『神々の祝福』の儀式で俗に『不遇スキル』と呼ばれる【無属性魔法】【創造魔法】【付与術】の三つのスキルを授かってしまった。これに激怒した父親にして国王であるロマノフ陛下はリヒャルトを王家から除籍する事を即決し、タイラーという家名と男爵の爵位を授けて北の辺境にあるツヴァイルドという小さな街に追放した。しかし、この時誰一人としてリヒャルトのスキルが実は途轍もない可能性を秘めている事に気付いていなかった。城から追放されるリヒャルトに付き従うのは専属メイドだったアリアだけ。王都バルザグスからツヴァイルド領までは馬車で一ヵ月の距離にある。追放される二日間で王都の商会から食料品や調味料、調理器具や衣服などを買い込み、武具店で武器防具を買って無属性魔法の『保管庫(アイテムボックス)』に収納した。そして遂に追放の時が来た。リヒャルトとアリアを見送る者は誰もいなかったが、二人は寧ろそれを喜んでいた。「アリア。これでやっと自由だな!」「はい。リヒャルト様。自由気儘に暮らしましょう!」と馬上で燥いでいた。