あらすじ

神奈川県・丹沢の山中で配信された心霊動画が、ネット上で大きな話題となる。 コンパスが狂い、音が消え、配信は突然ブラックアウトした。 港南理工大学の学生サークル「リミナル研究会」は、その現象に興味を持つ。 怪異を信じない物理学科の学生・早瀬凛は、すべてには必ず物理的原因があるはずだと考え、データロガーや各種センサーを携え、仲間たちと現地調査へ向かう。 観測の結果、林の縁に「境界」のような場所が存在することが判明する。 そこでは磁場、振動、通信、GPSの位置情報までもが、わずかに同期して乱れていた。 数値は確かに異常を示している。 しかし現象は、理論では説明しきれない。 一方、同じ場所では、警察の通信ログにも原因不明の揺らぎが記録されていた。 それは夜と昼、異なる時間に、まったく同じ座標で繰り返されている。 やがて凛たちは気づき始める。 この山で起きているのは単なる磁場異常ではない。 「世界の基準そのもの」が、ほんのわずかにずれている可能性に。 科学で怪異を観測しようとする若者たちの前に、 説明できない現象が静かに広がり始める。

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小説を読もう2026/03/10
  • 現在の作品リミナルの憂鬱