あらすじ

「君がここに来てくれると、保健室がちゃんと『部屋』になる気がする」 琥珀色の瞳を持つ保健委員、霜月(しもつき)つむぎ。 彼女は、体調を崩した生徒が保健室を訪れると、なぜか必ず先にそこにいて、その時の気分にぴったりの「飴」を差し出してくれる。 誰もが彼女を「優しくて放っておけない、天使のような子」だと言う。 けれど、僕は知ってしまった。 彼女が誰かの世話を焼くのは、純粋な善意からではない。 「誰かの役に立っていないと、ここにいていい理由がない」 そんな、底の見えない空洞を埋めるための、必死で切実な生存本能なのだということを。 いつも誰かの顔色を窺い、自分自身の体調管理はボロボロ。 冬になると決まって壊れてしまう彼女の、震える指先。 これは、自分の存在価値を他人の「必要性」に依存してしまった孤独な少女と、彼女に「何もしなくても、ここにいていいんだよ」と伝えたい僕の、甘くて少しだけ息苦しい、四日間の対話の記録。

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小説を読もう2026/03/10
  • 現在の作品保健室の霜月さんは、誰かに必要されないと消えてしまう。〜「いらない子」になりたくない彼女が、僕だけに甘い飴をくれる理由〜