あらすじ
本当にあった話しだ。
夏の夜、コンビニの駐車場で始まった再会。
彼女は結婚の控え、僕は失意の底で「Pet Sounds」という孤独な傑作に縋っていた。
匂いで混ざり合い、音で祈りを捧げ、服の下に消えない刻印を刻みつけた。
狂おしいほどの熱狂。
「お幸せに」と告げたはずの決意は、秋の冷気の中で容易く崩れ、僕らは正月の「断頭台」へと向かう。
待ち受けていたのは、氷点下の拒絶。
理由も予兆もない、一方的な処刑。
音楽が死んだあの部屋で、僕は立ち尽くしていた。
……けれど、物語にはまだ、続きがあった。
十数年の時を経て、あの日、凍りついたままの僕らが出した「本当の答え」とは。
劇的な修飾を排し、剥き出しの言葉で綴る。私小説的長編。