あらすじ
・短め紹介文
草原で育った風読みの少年アヤルは、王国との同盟の担保として学園都市へ送られる。
だが、魔導気象学を誇る王国の観測網が見落とした空の崩れを、彼だけは聞き取っていた。
その知は防災か、兵器か。
人質留学生の予測が、国家の均衡を揺らし始める。
・しっかり紹介文
草原に生きる少年アヤル・トルグトは、魔力気象の乱れを「音」のように感じ取る風読みだった。
だが彼は、幼い頃に災害の読みを外し、大切なものを失った記憶を抱えている。
そんな彼は、サルガ草原連盟とアストラル王国の不平等な同盟「カラシュ盟約」の担保として、王国の学園都市ホーエンフェルトへ送られる。名目は留学。実態は、人質に近い。
王国が誇るのは、魔導気象学と観測塔網による精密な災害予測。
理論、標準化、制御。すべてを数式と制度で管理するその都で、草原育ちのアヤルは異物だった。
しかし、王国の観測網が「異常なし」と判断した空に、彼だけは確かな崩れの気配を聞き取る。
その知は、防災の切り札か。
それとも、嵐を兵器に変える鍵か。
草原の経験知と王国の理論知がぶつかる時、ひとりの人質留学生の予測が、国家と戦争の均衡を変え始める。