あらすじ

人の嘘が「声の色」として見える特殊能力を持つ図書館司書、水森詩織。幼い頃から偽りの色彩に傷ついてきた彼女にとって、世界は汚れた嘘でできたヘドロの洪水だった。静寂と秩序だけが支配する図書館を唯一の避難所とし、誰にも心を許さず生きてきた。 そんな彼女の日常は、一人の男の出現によって静かに崩れ始める。閉館間際に現れたその男の声は、どこまでも純粋な「無色透明」だったのだ。 彼の名は、海道蓮。人間の心の闇や嘘をテーマにした作品で知られる、ベストセラーミステリー作家。誰よりも嘘を知り尽くしているはずの彼が、一切の嘘をつけないという巨大な矛盾。 蓮の透明な声に唯一の安らぎを見出し、次第に惹かれていく詩織。しかし、二人の心を繋いだ蓮の新作小説が、過去の悲劇と裏切りを呼び覚ます。蓮の人生を破壊した「泥色の声を持つ男」が、再び彼らの前に現れた時、詩織の呪いであったはずの能力は、やがて愛する人を守るための唯一の剣となる。 信じられるものが何もない世界で、それでも人を信じようとする二人の魂の軌跡を描く、感動の物語。

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小説を読もう2026/03/09
  • 現在の作品嘘が色で見える地味司書の私が、唯一嘘をつけない無色透明な声を持つ人気ミステリー作家様と出会って、呪われた人生が彩られ始めました