あらすじ

桃太郎が鬼ヶ島へ渡ってから、季節がひとつ巡った。村の暮らしは変わらず続いていたが、その家だけは、何かを待つ時間に取り残されたままだった。はじめのうち、人々は気休めを口にした。だが、帰らぬ者の名は、やがて村から少しずつ消えていく。古い村には、触れぬことで形を保つものがある。それでも、爺さまだけは待つのをやめなかった。ある朝、土間で山刀を研ぎはじめる。婆さまは止めず、ただ団子を包んだ布を渡した。そして爺さまは、ひとり鬼ヶ島へ向かう。迎えに行くために。

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小説を読もう2026/03/09
  • 現在の作品桃太郎が帰ってこない