あらすじ

金のない大学生・遠野奏多の唯一の楽しみは、小説投稿サイトで無料のネット小説を読むことだった。 そんなある日、彼は新着欄で「もち」という無名の投稿者の作品に出会う。 短いのに、異様なほど鮮明。 現実のすぐ隣に、ありえないものが当たり前のように存在している。 まるで自分の頭の中に映像が流れ込んでくるようなその物語に、奏多はたちまち心を奪われていく。 やがて彼は、もちの作品を読むことが日課になる。 退屈で閉塞した現実よりも、その“少しだけ壊れた世界”のほうが、自分には本物のように思えたからだ。 だがある日を境に、物語の中で描かれていたはずの異変が、現実に現れ始める。 世界が壊れはじめたとき、奏多は知ることになる。 自分がただの読者ではいられなかった理由を。 そして、誰かの物語を読むだけだった人生の、その先を。 「読む側」だった人間が、「生きる側」へ踏み出す。 現実と空想の境界が崩れるなかで始まる、静かで危うい現代ファンタジー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/03/09
  • 現在の作品境界読者〜俺だけが知っていた無名小説の世界が現実化したので、退屈な人生を捨てて主人公になる〜