あらすじ
リンドベルという小さな街で道具屋を営む青年、リオ・カインズ。
彼には一つ、不思議な思い込みがあった。
店の奥にある一冊の古い本――
『賢者の魔導書』
なぜか彼は、「これは勇者が来たら渡すものだ」と思い込んでいた。
理由は分からない。
誰に言われたわけでもない。
でも、なんとなくそういうものらしい。
そんなある日。
本好きのリオは、好奇心に負けて魔導書を開いてしまう。
中に書かれていたのは古代言語。
普通なら絶対に読めない文字だった。
……はずなのだが。
たまたま読めてしまった。
そして――
火龍の魔法が発動。
街の外の森にいた魔物の群れは、一瞬で消し飛んだ。
本来、勇者が倒すはずだった魔物たちを。
当然、街は大騒ぎ。
なぜかその功績は勇者パーティのものになり、
本人たちは「いややってないんだけど」と困惑するばかり。
一方リオは思う。
「……やべーやっちまった」
勇者イベント用NPCだったはずの道具屋が、
賢者の魔導書を読んでしまったことで、
勇者の出番は消え、世界の歯車は少しずつ狂い始める。
最強魔法と好奇心を手に入れてしまった主人公と、
彼に執着する幼馴染ヒロイン。
そして、なぜか功績を押し付けられる勇者パーティ。
これは――
勇者を待つだけだったNPCが、世界をかき回してしまう物語。