あらすじ
取り壊しが決まった私立星浜高校の旧校舎西棟。文芸準備室で黒い大学ノートを見つけた龍星と心遥は、そこに書かれた「今年度中にやりたいこと」をひとつずつかなえていく。焼きそばパン争奪戦、理科準備室の骸骨の冬支度、卒業前に伝えたい言葉――放課後の小さな騒ぎは、やがて十年前に途切れた“隣の君が好きだった”という未完の一文へつながっていく。
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龍星――文房具店の息子。人の気持ちの揺れに気づくのが早く、字から書き手の迷いまで感じ取ってしまう。誰かのためには動けるのに、自分の本音を書くのは苦手。
心遥――旧校舎の窓が開いていれば、まずのぞきに行く行動派。思いついたら先に走るが、放っておけない優しさを持つ。
一槙――新聞部所属。皮肉を言いながらも、記録と聞き込みを最後までやり切る。過去を追う要になる。
ゆずき――生徒会会計。許可申請や安全確認に厳しいが、その慎重さは誰かを守るためのもの。
摩央――映像研究会所属。空気が重くなる場面でも笑いを入れ、力仕事も機材も軽々こなす。
光李――図書委員。古い資料や寄贈本の履歴からノートの来歴を掘り起こし、相手の本音を聞き出すのがうまい。